<ニュースあなた発>
「自転車レーンの新設で車の車線数が減り、渋滞が起きている」。東京都江戸川区の自営業女性(68)から本紙「ニュースあなた発」に困惑の声が寄せられた。都は自転車と歩行者の接触事故防止などを目的に、自転車レーンの整備に力を入れるが、車線数の減少に伴う渋滞が多発した場合、地域住民との摩擦は生じないのか。自転車との共存の「道」を探った。 (松尾博史)
◆少なくない徐行しない自転車
東京メトロ西葛西駅から北西700メートルほど離れた江戸川区の葛西橋東詰交差点。ともに都道の船堀街道と葛西橋通りが交わる一帯の交通量は比較的多い。記者が平日の夕方に訪れると、西葛西駅方面から北の新小岩駅方面に向かう船堀街道には車列が続いていた。
渋滞の傍ら、歩道では子どもやベビーカーを押す母親らの脇を自転車が走り抜けていく。自転車は道交法で軽車両と位置付けられ、車道通行が原則。この歩道では例外的に通行が認められているが、徐行しない自転車は少なくない。
投稿者の女性は「これほど車が混むのは以前は年末ぐらいだった。最近では渋滞を避けるために迂回うかいすることもある」と明かした。
渋滞の理由に挙げられるのが、自転車レーンの新設工事だ。都第5建設事務所(葛飾区)によると、レーンは来年3月までに、交差点を起点に船堀街道の南方向約450メートルに整備。片側2車線を1車線に減らし、その分、両側にカラー(青)舗装した幅約2メートルのレーンを設ける。交差点付近は右折、直進、左折の3車線だったが、直進と左折を統合した。
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