日本で暮らしているとあまりピンとこないだろうが、海外では「飲酒」は規制されて当たり前だ。路上で酒は飲めないし、どこでも売っていいものでもない。若者に人気の俳優やアイドルが「ぷはっ」なんてビールを飲み干すCMがテレビで流せない国も多い。そして日本の居酒屋のような「飲み放題」が禁止という国もかなりある。
今回初めて厚労省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表したという事は、WHOの「世界戦略」が遅ればせながら日本にも上陸してきたとみるべきだろう。
「WHOなんて知るか!日本には日本のやり方がある。そもそも飲み放題ってのは日本の居酒屋文化だろ」という怒りの声が聞こえてきそうだ。
日本人として、その気持ちは痛いほどわかるが、いくら文句を言ったところで、我々がWHOの「世界戦略」の前に無力だということは、「喫煙規制」が証明している。
こういう「世界戦略」にあらがう力は残念ながら日本にはない。つまり、2013年に五輪誘致が決定した時点で、喫煙者のみなさんが飲食店や公共施設から閉め出される未来は決まっていたのだ。
こういう歴史の教訓に学べば、「飲酒規制」も同じ道をたどるのは明らかだ。つまり、当初は「ここは日本だ、欧米人のルールを押し付けてくんな!」などと威勢のいいことを叫んでいるが、じわじわと劣勢に立たされていくだろう。気がつけば、「居酒屋の飲み放題禁止」がニューノーマルとして広がっていくのだ。
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