人生100年時代といわれるが、実は人間の歯の耐久年数はその半分のおよそ50年。80歳になるまでに8本以上の歯を失うと、咀嚼能力が著しく低下する。できれば人生の最後まで自分の歯で食事を楽しみたい……。そんな人類の夢をかなえるべく、歯が生える薬が開発中であり、今秋から臨床実験がはじまるという。
――歯生え薬は、どのようにして歯を生やすのでしょうか?
私たちの歯は永久歯が抜けると生えてきません。これは、USAG-1というたんぱく質が歯の成長を抑制しているからなんです。
歯は芽さえあれば生えてきます。だから、このたんぱく質の機能をなくせば歯が生えてくるということになります。そこでこのたんぱく質をターゲットにして、歯を増やすということを思いついたのです。
マウスを使っての実験では、100%の成功率!
――これまでの実験ではどんな結果が出ていますか?
マウスを使って実験をしました。中和抗体を打ったら歯が生えてきたんですよ。しかも条件さえ整えば、100%生えるという結果を得られたのです。
――ちなみにお値段はどのくらいになるのでしょうか?
費用は今のところインプラント3本分を想定していますが、全然決まっていません。ただ使用する抗体製剤はけっこう高価なので、当然費用も高くなってくるでしょう。
※インプラントは1本で、30~40万円程度かかる
歯が改善されれば、自然と健康寿命も延びます。まずは2030年を目処に、先天性無歯症の患者さんに薬を届けたいと思います。
出典:oki.ismcdn.jp