一年間のうち最も窒息による死亡者が増えるのは1月1日から3日に集中しており、正月にモチをのどに詰まらせたことが主な原因である。毎年正月に起こる窒息事故の正しい応急処置法、やってはいけないNG例を救命救急医に聞く。
■モチをのどに詰まらせた場合の正しい応急手当
いざという時に慌てないために、近くに窒息が疑われる人がいた場合の応急手当について確認しておこう。
【モチによる窒息が疑われる人に対してとるべき行動手順】
(1) 苦しそうにしている、のどを押さえているなど、窒息のサインに気づく
(2) 声を出せるか確認し、意識があれば咳をさせる
(3) 周囲で助けてくれる人を集め、救急車を呼ぶ
(4) 背部叩打(こうだ)(左右の肩甲骨の中間を強くたたく)を試す
(5) 腹部突き上げ法(背後から腹部を圧迫する)を試す
(6) (4)と(5)を救急車が来るまで何度も続ける
(7) 反応がなくなったら胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行う
ただし、腹部に強い圧力がかかるので、妊婦や1歳以下の乳児に行ってはならない。また、ある程度の力が必要なため、高齢者が行うのは難しいかもしれない、と五十嵐医師は指摘する。その場合、掃除機で吸い出す方法も一考の余地がありそうだ。
「ガイドラインに載っていないので第一にすすめられる方法ではありませんが、各家庭にあり吸引力が強く誰でも簡単に扱えるので、どうしてもの場合に有効な手段であると考えられます。確かにのどの奥をついてしまうことによる合併症のリスクは無視できませんが、まず大事なのは救命することです。掃除機で実際に救命されたという報告も少なくありません」(五十嵐医師)
反対に、絶対にやってはいけないことがある。それは、見えていないのに口の中に手を入れてモチを取り出そうとすることだ。
「さらに奥へ押し込んでしまう可能性があること、強い力でかまれてしまうことがその理由です。明らかに口の中に見えている状態なら取りますが、何も見えない状況で指を突っ込むことは絶対に避けてください。
AERA
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