労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」(ポッセ)などが、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金を利用した元学生らに生活状況を尋ねたアンケートの結果を発表した。返還負担の重さから、劣悪な労働環境でも仕事を辞められなかったり、結婚や出産などのライフプランを諦めたりしたケースが多くあることが明らかになったほか、回答者の1割が「自己破産を検討したことがある」とした。
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アンケートを実施したポッセや総合サポートユニオンなどで作る「奨学金帳消しプロジェクト」のメンバーで、元高校教員の女性(25)は、きょうだい4人で計1000万円以上の貸与を受けたという。自身は約400万円を借りて私立大へ進学。卒業後は夢だった教職に就いたが、仕事が原因で体調を崩し、1年で退職することになった。
現在は失業中で知人に借金してしのいだ時期もあった。返還のためのお金のやりくりに行き詰まり「死んでチャラにするしかない」とも考えた。女性は「奨学金は、人生を大きく変えてしまうことがある。勉強するために借金をするなんておかしい」と話した。
プロジェクトのメンバーの岩本菜々さん(23)は、学生ローン利用者の一部に対して返済を免除すると表明した米バイデン政権の政策を例に挙げながら「救済措置だけでなく、最終的には債務の帳消しが必要だ」と訴えた。
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