★ セルフ式うどん店で幼児が火傷「どうしてくれるの」 親が目を離した瞬間の悲劇、店の責任は?
セルフ式のうどん店で幼児が火傷を負った!責任をとってもらいたい──。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
相談者は1歳10カ月の息子と2人で入店し、釜揚げうどんと天ぷらを注文。うどんのトレイをカウンターに残して、もう1つのトレイを席に持っていきました。
息子はそばにいると思って、一瞬目を離したところで背後から大きな音が。振り返ると、カウンターから落ちた熱々のうどんが息子にかかっていました。すぐに治療を受けたものの、医師からは火傷痕が残る可能性が高いと告げられたそうです。
「目を離した自分がいけなかった」と後悔するものの、店側の安全対策が十分だったか疑問が残るといいます。店側に責任はあるのでしょうか。大和幸四郎弁護士に聞きました。
──今回のケースで店の責任はどうなりますか。
子ども連れでセルフ式の飲食店を利用する保護者の監督責任は、セルフ式でない場合に比べ、保護者自身が受け取り等をする分、大きくなるケースが多そうです。
店内で発生した事故の責任を店側が一定の限度で負う場合でも、保護者の監督義務違反に基づく過失割合が大きく、限定的なものになると思います。
今回のケースでも、判断能力が不十分な1歳10カ月の息子から保護者が目を離したこと、熱いうどんのトレイをカウンターに残してしまったことは問題でしょう。保護者の監督責任が大きく、店への責任追及は難しいように思います。
ただ、本件ではレジ付近に「お子様連れの場合は、目を離さないようにしてください」といった注意書きを設置するなど簡単な措置をしておけば事故は防げたかも知れません。
せっかく食事をするのですから店の態様によらず、保護者や店側が注意義務をつくして、楽しく食事をしてもらいたいと思います。