SNS上ではそれを「若い女に嫉妬しているから」と説明する向きがあるが、私はそれでは不十分であるように思えてならなかった。
本来ならば自分とは関係もないし今後もかかわることは一生ないはずの、遠い場所で暮らしている人の「年の差婚」を、まるで我が身にふりかかった災難かのように怒り心頭に発し、非難せずにはいられなくなってしまうのはなぜか。
それは単なる嫉妬ではない。
そうではなくて、「女性の価値は若さにこそある」という価値観が暗黙裡に社会に拡大してしまうことを直感的に危惧するからこそだ。
かりに結婚する当事者がなにも言っていないにしても、そのような「年の差婚」自体が、世の中に「男性は若い女性と結婚するのがよい」という言外のメッセージ性を持ってしまうことを想像し、これを糺さずにはいられない。
はっきり言ってしまうが、世の男性たちは口先ではなんと言おうが、本音では「結婚するなら若い女性がいい」と考えている。
なぜ若い女性が好まれるのか。世の男性たちは子どもをつくりたい(≒若い女性の方が妊孕性が高い)からだ。
ロリコンだのグルーミングだのと、名誉毀損(きそん)や侮辱で訴えられたら負けてしまいそうな過激な言動を取るのも、これは単なる嫉妬心ではなく、文字どおり自分の遺伝子の「存続」をかけた必死の防衛行動にほかならないからだ。
「年の差婚」は性加害的であり女性を性的価値でしか見ておらずモノ扱いしている、女性蔑視的な営みである――といった雰囲気の醸成は、それなりに成功していると思える。
もちろん男性はあくまで「社会性」に鑑みて「年下婚などけしからん」と言うようになっているのであって、本音では若い女性を希望しているのは上述したとおりだ。女性から糾弾されたくないから発しているだけのポーズにすぎない。
PRESIDENT
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f2abe3b8b4a2ace737c22e6eccb1e208b758bcf