値上げの波が収まらないなか、今、チョコレートの価格が急騰している。カカオ生産量の激減が要因の一つだが、このままではチョコレートが食べられなくなるかもしれないという。
「チョコレートはぜいたく品になるだろう」
カカオの価格が歴史的な高騰を見せている。ニューヨーク市場のカカオ先物価格は連日のように史上最高値を更新していて、ここ1年ほどでおよそ3.5倍に急騰した。
ブルームバーグによると、代表的な工業用金属である銅よりもカカオが高くなっている状態だという。
高騰の原因であるカカオの生産量減少は、気候変動や違法採掘によるものだけではないようだ。
ロイター通信によると、産地である西アフリカでは近年、カカオの木を枯れさせてしまうカカオ枯死(こし)ウイルスが蔓延(まんえん)しているという。
「ガーナではおよそ138万ヘクタールのカカオ栽培地のうち、およそ59万ヘクタールが感染している」と推定されていて、コートジボワールでも最大30%の農園が感染しているとみられている。
さらに、ガーナではカカオの栽培から輸出まで管理する政府機関であるカカオ委員会が資金不足に陥っている。そのため、肥料や農薬の配布が数年前から停止していて、ウイルスの蔓延を止めることができない状態だという。
また、感染した木を植え替えたとしても、木が成熟してカカオを生産できるようになるまでには2年から4年かかるという。
こうして価格が高騰しているカカオだが、チョコレートの価格として消費者の懐を直撃するのは今年の後半になるとみられている。
また「将来的にはカカオを生産できる土地は半減する」との予想もあり、専門家は「チョコレートはぜいたく品になるだろうと指摘している」という。
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