昨春の京都市立小学校の卒業式と同中学校の入学式で「君が代」を歌いたくないと申し出、教員らに説得されたが結局歌わなかった田花結希子アイリーンさん(13歳)と母親の水谷麻里子キャロラインさん(48歳)親子(本誌3月1日号参照)が、2月14日に東京・永田町の参議院議員会館で文部科学省の職員に「日の丸・君が代」の強制をしないよう要請した。京都選挙区選出の倉林明子参議院議員(共産党)の仲介による。
最初に、親子が①「日の丸・君が代」を強制され非常に嫌な思いをした、②国旗国歌法制定時に政府は「強制しない」と答弁していたのに不起立の教職員を処分するのは「思想・信条の自由」の侵害、③親子は外国にルーツがあり、これからのグローバル社会に「日の丸・君が代」強制は逆行している、という3点を挙げ、文科省に子どもが主人公の式典にするよう都道府県の教育委員会への指導を求める要請書を同省職員に手渡した。
「教委には逆らえない」
要請では、アイリーンさんがなぜ起立できないのかクラスで説明するため、「日の丸・君が代」がどう使われたかの歴史をまとめたプリントを配ってもらおうとクラスの人数分コピーして持って行ったところ、「先生に『アカン』と止められた」経験も話した。
そのうえで「日の丸・君が代の歴史を教える時間をとってほしい。社会の先生が知らないんですよ」と要望。また、キャロラインさんも「歌うのが嫌な子がいることが先生に通じない。昭和天皇が戦争責任を取らなかったことなどから『日の丸・君が代』に根強く反対している人がいることを教えないので、娘は『何で嫌なん?』と聞かれる」と述べた。
土橋係長は「教育は法令上、現場にかなり裁量が与えられている。文科省は学習指導要領で科目や内容は規定しているが、どう教えるかは現場の裁量」だと回答。
だが、アイリーンさんは「(現場の裁量と言うが)先生は『教育委員会には逆らえない』と言いました」と証言した。
出典:newsatcl-pctr.c.yimg.jp