100円以下のボールペンや電球1つでも送料無料
無機質な店舗の多いECでも、楽天市場のように店長の個性が魅力になっているところもありますし、活気のあった頃の百貨店や専門店での買い物は間違いなく、楽しい買い物でした。
一方、楽しくない買い物は、とにかく目的の商品が手に入ればよいというもの。そのために時間をかけたくない、できるだけ合理的にすませたい、と多くの人が考えるような買い物です。
ヨドバシ・ドット・コムでは、この“楽しくない買い物”にあたる品揃えを拡大し、加えて、日本全国どこでも送料無料のサービスにより、日常の利用を促し、次回の大物家電の購入につなげようとしています。
ヨドバシカメラの担当者の方も「ボールペン1本でも、電球1個でも、遠慮せずに利用してください」と、常々話しており、また、社員(契約、派遣を含む)が中心の配達スタッフも、どんな小さな荷物であっても、笑顔で届けてくれる印象です。
「即日配達」は再配達、在庫保管のコストを抑えられる
いまから10年ほど前、アマゾンが受注から最短1時間で配達するサービスを開始すると、楽天やヤフーなど大手が追随するサービスをスタートさせましたが、現在もスピード配達を武器にしているところは、ヨドバシ・ドット・コム以外には見当たりません。
ほとんどのサービスが、アマゾンへの対抗意識から実施する中、同社の場合、「なぜ、スピードを優先するのか」という根拠が明確にありました。
当時、副社長だった藤沢氏は、エクスプレスメール便(現在のエクストリームサービス)を提供する狙いを次のように答えています。
「即日配送をすると配送会社に大きな負担がかかると言われますが、商品の受注後、早く届ければ、受け取ってもらえる確率が高い。商品を在庫として保管したり、再配達したりするコストを考えれば、即日配送でもメリットが出せる。店舗在庫の活用や、ピッキング、梱包こんぽうなどのオペレーションの効率化を図れば、トータルコストも抑えられます」
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