社会学者の山田昌弘さんは「2023年2月に1万305人を対象に調査を行った。その結果、7割の夫婦がセックスレスであると判明した」という――。
■「週に数回程度しか夫婦で話さない」人が全体の3割
「毎日夕食を一緒に食べる」はどうか。こちらは、やはり働き盛りの中年世代(30~40代)は4割から5割程度で、高齢世代(50~60代)では6割程度と増えています。仕事で忙しい世代は、外食率も高まり、反対に定年退職が近づくシニア層になると、夫婦一緒に食事をする機会が増えるということでしょう。
ただ、注目すべきは「夕食を一緒に食べるのが、月に数回以下」の人たちが、全体で10%も存在することです。「一年で全くない」という人も3%存在します。母親であれば、夫と夕食を共にせずとも子どもと食べているケースも多いでしょう。ですが、それなら夫は1年365日、誰と食べているのでしょうか。ふと考えてしまいます。
言葉と同様に少ないのが「性関係」です。「毎日」は1%、「週に数回」が3%、「週に一回程度」が6%で、合計1割。残り9割は週一回もない。「セックスレス」にカウントされる「月一回未満」(28%)と「全くない」(41%)を合わせて7割という結果となりました。
「相手にときめきを全く感じない」トップは、55~64歳の女性で、74%という結果になりました。要するに若い世代は、パートナーに対してある程度ときめきやドキドキを感じやすいが、高齢夫婦(特に女性)は、好意よりも倦怠(けんたい)・嫌悪感の方を強く抱いているということです。
ちなみに、「一緒にいるとイライラするか」の問いで、45~55歳の女性が「よくイライラする」「時々イライラする」を合わせて、40%に達していました。
肝心の「夫婦はどのように寝ているか」ですが、「同じベッドで寝ている」は全体の26%でした。「同室で布団は別」が36%、「違う部屋で寝ている」が36%という結果です。
しかし、世代別に見てみると、25~34歳の男性は「同じベッド」が53%と、ほぼ半数を占める反面、55~64歳の男性は18%でした。この世代の男性の3割は、「同じ部屋の別の布団」に寝ており、約5割は「違う部屋」に寝ているという結果が明らかになりました。「ダブルベッド信仰」世代も、長い月日の結婚生活の末、別々の空間で寝起きしているという結論は、少々寂しさを伴うものではありました。
PRESIDENT
https://news.yahoo.co.jp/articles/b81296b09946f6cdbb35b8a78c2dc483c2c41387