2023年4月の東京・杉並区議選で当選した田中ゆうたろう区議がトランスジェンダーを差別するイラストを選挙公報に掲載したことで、人権侵害されたとして、杉並区在住の当事者ら3人が2月13日、法務省人権擁護局に人権侵犯被害を申告。また、東京弁護士会にも人権救済を申し立てた。
この日、申立人3人とその代理人が杉並区で記者会見を開いた。
代理人をつとめる神原元弁護士によると、田中区議は、ヒゲの生えた男性に「オレも女だと言い張れば女湯に入れるのネ!」という言葉を添えたイラストを選挙公報に掲載したり、杉並区の「性の多様性推進条例」を批判するために「男性が女湯に入ることができるようになる」という発言を繰り返したりしたという。
「主張するだけでも差別だと思ってますが、醜悪なイラストを使って自分の主張を展開する。それだけではなく(イラストを)選挙公報にまで使って、杉並区の全戸に配布する。セクシャル・マイノリティを象徴するレインボーのタトゥーが入っている人物が鼻毛を伸ばしヒゲを生やしているという醜悪な描き方をして、トランスジェンダーの人を揶揄するのは、到底、許されないと考えています。性的マイノリティの方も区民にはいるので、重大な人権侵害だと思います」(神原弁護士)
神原弁護士はこのようにトランスジェンダーに対する人権侵害にあたると説明するが、田中議員はこのイラストについて「一人称が俺であることからも明らかなように、性自認男性の男性でトランスジェンダーではない」と反論しているという。
弁護士ドットコム
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