お笑い界のトップに君臨し続けてきた松本。数々の名番組、名企画をお茶の間に届けてきた「カリスマ」の不在は、テレビ業界にとってさぞかし痛手かと思いきや……聞こえてきたのは意外な声だった。
「少なくとも、私の周りで松ちゃんの活動休止を嘆いているテレビマンはひとりもいません」と言うのはキー局ディレクターである。
「松ちゃんって、面倒くさいんですよ。収録現場では機嫌も愛想も悪いし、MCなのに進行をほどんど覚えてくれない。それでいて『あれしろ、これしろ』と言うから、仕事が増えるんですよ。大御所はみんな、そんなもんかもしれませんが……松ちゃんの番組、私にとっては“苦行”です」
働き方改革でかなり改善されたとはいえ、テレビの現場がハードなのは周知のとおり。そんな彼らにとって、少なからずモチベーションとなっているのが「子供の頃に憧れたあのタレントさんと番組作りができる!」という喜びなのだが――制作会社スタッフは静かに首を振った。
「子供のころから見ていた松ちゃんと仕事ができる! とテンションが上がったのは最初だけ。松ちゃんと関わるのは上層部のスタッフばかりですから。僕らは現場で目が合うこともほとんどない。ほんとに空気みたいな扱い。毎回、トークは面白いし、番組も盛り上がるので、そこはさすがだなと思いますけど、収録現場のピリつきが半端ない。松ちゃんの現場はしんどいんで、なくなってどこかホッとした自分がいます。ギャラもメチャクチャ高額だし、彼の不在で数字が激減していないのなら、局の上層部もウハウハじゃないですか?」
「天才」松本人志はいつしか、「裸の王様」になりつつあったのだろうか。
後輩芸人たちからのリスペクトの声は絶えない。はたして、裁判が決着したそのときに、テレビ界に松本人志の「席」はあるだろうか。
FRIDAYデジタル
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