裁判記録によると2022年6月3日未明、この被告は飲酒後、助手席に20代の女性を乗せて車を運転した。女性の制止を振り切って赤信号を2回無視し、時速140キロ以上で走行し、三輪バイクに後ろから衝突。乗っていた神戸市の飲食業李泉さん=当時(34)=は即死した。しかも救護せずにそのまま走り去り、さらに車も乗り捨てて逃げた。あまりにひどい事件だが、被告に適用されたのは危険運転致死罪ではなく、過失運転致死罪だった。一体なぜなのか?
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捜査関係者によると、兵庫県警は当初、危険運転致死容疑で送検しようと神戸地検と協議した。ところが地検は、立件は困難と判断。県警側は困惑した。ある捜査員は思わず「これが危険運転でなければ、何が危険運転に当たるんですか!」と、声を荒らげたという。
遺族側代理人の吉井正明弁護士によると、検察が危険運転致死罪での立件を断念したのは、被告が逮捕後の取り調べでふらつかずに立つことができたこと、事故までに蛇行運転をしていないことなどが理由だった。
なぜ、神戸の事件には危険運転致死罪が適用されないのか。専門家に聞いてみることにした。元最高検検事で、交通事故に詳しい昭和大学医学部の城祐一郎教授は事故の状況に着目する。ポイントは「追い越し」だ。
被告が時速140キロも出していた点については「追い越しの際に速度を上げることは誰でもすることであり、速度を上げすぎてもそれほど非難されることではない」
(抜粋)
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