お酒を健康的に楽しむにはどうすればいいか。酒ジャーナリストの葉石かおりさんは「コロナ禍で家飲みをする人が増えたが、自制がききにくいので酒量が増えやすい。
私自身もそうだった。アルコール依存症に陥らないために『AUDIT』というスクリーニングテストで現状を知ってほしい」という――。
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■不安を打ち消す家飲みで逆流性食道炎に
「あー、逆流性食道炎ですね」
胃カメラの際の鎮静剤でぼんやりしていた頭が、この一言で一気にクリアになる。忘れもしないコロナ禍の胃カメラ検査。
それまで胃に関しては何の疾患もなかった。しかし、緊急事態宣言の発令により、仕事のすべてが飛んでしまい、失職不安を打ち消すため、あろうことかお酒に逃げ、逆流性食道炎になるほど飲んでしまったのだ。
自粛期間中は外飲みができないので、仕方なく家飲みオンリーとなる。最初のうちはビール程度で満足していた。
しかし、外出が制限されるようになると、業務用の5リットルのウイスキーをネットで買い、まだ日の高いうちから濃い目のハイボールを飲むようになっていった。
気づくと、大きなボトルはわずか2週間たらずで空に。さすがに「これはまずい」と自分でも思うようになった。
タイミングよく胃カメラ検査があったことで、自戒して酒量を減らせたが、検査がなかったら確実にアルコール依存症になっていただろう。この時、初めて自制がきかない家飲みの怖さを痛感した。