石川県能登地方を震源とする地震で、県内の死者が92人、災害で死亡した疑いのある行方不明者が少なくとも15人になったことが5日、明らかになった。連絡が取れない安否不明の人は5日午前9時現在、輪島市や珠洲市を中心に計242人に上る。
輪島市の坂口茂市長は5日、倒壊した建物などの下敷きになっている人がまだ100人以上いるとの見方を示した。
県によると、死者数は、輪島市55人▽珠洲市23人▽七尾市5人▽穴水町5人▽能登町2人▽羽咋市1人▽志賀町1人。行方不明者は穴水町で14人に上っている。
安否不明者は輪島市138人▽珠洲市82人▽穴水町9人▽能登町9人▽七尾市3人▽志賀町1人――の計242人。年齢・年代が判明している範囲では高齢者が多く、最年少は8歳。県はホームページで氏名などを公開している。
県内の住宅被害は全壊・半壊が308棟となり、七尾市の全壊棟数は4日から100棟近く増えた。輪島市、珠洲市、能登町の3市町の被害棟数は「多数」のままで、依然として全容は判明していない。
輪島市の坂口市長は5日午前、報道陣の取材に「生き埋めの方も多くおられる。救出は声が聞こえるところから優先している」と述べた。しかし、土砂崩れによる道路の寸断などで救出活動ができていない場所もあるという。
輪島市内では約1万2800人が避難生活を送っている。2007年3月の能登半島地震の経験から備蓄品は多めに用意していたが、今回の地震では年末年始の帰省者が多く、発生初日に尽きたという。
坂口市長は「断水が全域で発生し、電気が使えない地域が多く、寒くて暖を取ることもままならない状況だ。(生存確率が下がるとされる)発生から72時間が過ぎたが、安否確認は最重要課題。自衛隊、警察、消防と連携して把握に努める」と語った。【深尾昭寛、大野航太郎、川畑岳志】
毎日新聞
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